The Dialogue: Arts & Women
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外山道子という作曲家のことを知ったのは、jwcmという形で活動をはじめてしばらく過ぎたときでした。渡辺愛さんがMessengerのチャットで教えてくれたのです。絶版になって久しい『女性作曲家列伝』(小林緑・編著)を藝大の図書館で借りて読んでみたら、こんな女性の電子音楽作曲家が存在していたことが分かった、と。そして、どうして彼女のことを今まで知らなかったのだろう、と。
愛さんがそう思うのも不思議はなくて、確かに外山道子はびっくりするほどに輝かしい経歴の持ち主でした。国際現代音楽祭(現「ISCM世界音楽の日々」)に入賞を果たした日本初の作曲家であり、17歳で渡仏してからミヨーやメシアンに師事していて、ついにはコロンビア大学で電子音楽を学んだり。唯一アクセスできる彼女の電子音楽作品《Waka》のサウンドもとても興味深い。
なぜ、彼女のことを、知らないままでいられたのだろう?
(「エピローグ」より)
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価格 1,500円(税込 1,650円)
送料 280円(国内)
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※手数料込み
※Covid-19感染拡大の影響により、国際郵送が不安定な状況にあります。国外での受け取りご希望の方はメールにて個別にご相談ください。
サイズ A5(148×210x5mm)
頁数 72頁
言語 日本語と英語(02を除き日英併記)
※限定350部の頒布となります。
発行 2021年12月
発行者 女性作曲家会議
編集 森下周子、渡辺裕紀子、渡辺愛、芦部玲奈
翻訳 速水聡子、森下周子、神沢希洋
校正 東川愛、Daniel Portelli、Braxton Sherouse
補助 山根明季子、牛島安希子
デザイン 宮越里子
印刷 JAM
編集 森下周子、渡辺裕紀子、渡辺愛、芦部玲奈
翻訳 速水聡子、森下周子、神沢希洋
校正 東川愛、Daniel Portelli、Braxton Sherouse
補助 山根明季子、牛島安希子
デザイン 宮越里子
印刷 JAM
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■ 目次/Contents ■
01
プロローグ
Prologue
Prologue
02
データから音楽業界の男女比と決定権の所在について考える
What Gender Ratios
What Gender Ratios
in the Japanese Classical Music Industry
Can Tell Us About
Where Decision-Making Power Lies
03
タイムライン:日本人女性作曲家と歴史
Timeline:
Timeline:
Japanese Women Composers and History
04
志田笙子インタビュー
Interview with Shoko Shida
Interview with Shoko Shida
05
塩見允枝子インタビュー
Interview with Mieko Shiomi
Interview with Mieko Shiomi
06
エピローグ
Epilogue
Epilogue
データから音楽業界の男女比と決定権の所在について考える
jwcm |女性作曲家会議は、これまで当事者として女性作曲家による座談会を定期的に開き、社会学者と共に女性作曲家の活動環境を省みるイベントを催すなど、自ら声を発することで現状を把握し、状況の改善に向けて活動してきました。この調査ではこれまでの試みの延長として、女性作曲家を取り巻く社会環境を客観的に検証するために、様々な「数字」を割り出しています。個人の視点から一旦離れ、音楽業界の今を数字で見たときに、どのような構造的問題が垣間見られるのか、この調査から検証していきたいと思います。
構成・執筆:渡辺裕紀子
志田笙子インタビュー
生きていくために、一度は音楽活動をやめることを決めた。
生きていくために、一度は音楽活動をやめることを決めた。
本インタビューはもともと、jwcmメンバーである渡辺愛が兼ねてより関心を寄せていた志田氏に、70年代の電子音楽などの音楽的な話をうかがいたいと考え依頼したものでした。ところが、第一線で安定的な活躍をされてきたと思っていた志田氏の口から出たのは、「音楽活動をやめると決心し、10年間、曲を書かなかった」という意外な言葉でした。思いがけず活動の変遷と葛藤をうかがうこととなったこの貴重なインタビュー、jwcmとして広く公開するべきものと考え、本書に掲載いたします。
話し手:志田笙子(作曲家)
聞き手:渡辺愛(作曲家)
構成・執筆:渡辺愛
聞き手:渡辺愛(作曲家)
構成・執筆:渡辺愛
塩見允枝子インタビュー
日常をアートに、アートを日常に溶け込ませながら、“自主作曲家”であり続けること
日常をアートに、アートを日常に溶け込ませながら、“自主作曲家”であり続けること
2020年、jwcmは1本の短編ドキュメンタリーを製作しました。1964年に渡米して「フルクサス」に加わるなど世界的に活躍するアーティスト塩見允枝子氏を、「ひとりの女性」として捉えた作品『Shadow Piece』です。本稿では、jwcmメンバーがインタビューを敢行し、丸一日かけてお話をうかがいました。その率直な言葉からは、様々な環境の変化にしなやかに対応しながら創作活動を継続してきた、塩見氏の生き方のエッセンスが垣間見えてきます。
本誌は、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京の助成を受けて刊行されました。